Q:契約社員です。契約期間途中で退職したいのですが、会社は「契約
不履行」で訴えると脅かされます。
A:契約期間途中でも、「正当な理由」があれば、期間の途中でもただ
ちに解約できます。
当然のことですが、会社が残業代を支払わないなどの労基法違反を
行っている場合や悪質なセクハラなども解約できます。
また労働契約の初日から一年を経過した日以降においては、使用者
に申し出ることにより、いつでも退職できます(労基法137条)。
また、労働条件が労働契約と著しく事実と相違する場合においては、
労働者は即時に労働契約を解除することができます(労基法第15条
第2項)。
また、民法628条は「やむを得ない事由」の場合は解約を認めて
います。1.本人の病気 2.両親や子供の病気の介護などです。
0402
<質問>
3年契約の社員です。まだ2年ですが、退職を希望したら契約違反だと怒
られました。後1年我慢しなければならないのでしょうか。
<回答>
メール拝見しました。 我慢することはありません。労基法第14条第1
項では有期労働契約の契約期間の上限は3年とされましたが、ただし、
1年を超えた契約を結ぶ労働者に対して、「労働契約の期間の初日から
1年を経過した日以降においては、使用者に申し出ることにより、いつ
でも退職することができます」(専門的技術者や満60歳以上の労働者
は除きます)となっています。
あなたはいつでも退職できます。我慢することはありません。
0403
Q:勤続5年、正社員。2ヶ月前に退職願いを出したのに、社長が辞めさ
せてくれません。暴力的に脅しまがいのこともしてきます。これっ
て合法?我慢しないといけないのか?
A:雇用期限のない一般の社員の場合が退職する時は、法的には、退職
届けを2週間前に通知すればよいことになっています。
脅して退職を強制的にさせないなどということは、職業選択の自由
に違反しまた強制労働となり違法行為となりますので、堂々と退職
して下さい。
また、雇用期限のある契約社員の場合は双方その期限まで契約を守
ることは基本原則ですが、会社側にセクハラや残業代支払い拒否な
どの労基法違反がある場合は、そもそも契約を守らないのは会社と
いうことになりますから、契約期間の途中で解約してもかまいませ
ん。
0404
| <「どうしても辞めるのであれば懲戒解雇にする」といわれた> |
Q:私は正社員として雇用されていますが、会社を辞めようと思い、就
業規則に定めてある通り1ヶ月前に辞表を提出しましたが退職を認
めてくれません。それどころか社長は「どうしても辞めるのであれ
ば懲戒解雇にする」といわれて困っております。この様なことはで
きるのでしょうか?
A:できません。そもそも社長が言っていること自体、憲法で認められ
ている「職業選択の自由」を侵害しています。また、正社員(雇用
契約期間のない労働者)の場合、もし就業規則に「会社が退職を認
めた場合」とか「6ヶ月前に辞表を出すこと」等が定められていた
としても、前述と同様に無効となります。
0405
今や肩たたきのやり方も千差万別。そっと言われたり、「退職は当
然」と言わんばかりに無理強いしてきたり。
無理な転籍、出向、行かれないとわかっていた上での地方配転、等
などいろんな形で退職を迫ってきます。
まずはしていけないこと。その場で承諾しないこと。「はい、わか
りました。」などと決して言わない。書類にサインや印鑑は押さな
いこと。相手は平気で自尊心傷つけてきます。それでも投げやりに
ならないこと。その場は断ることがベスト。せいぜい「考えさせて
くれ」とその場から逃げること。
最初のあなたの対応が、その後話し合いの方向を大きく左右してし
まいます。
0406
| <突然あなたに肩たたきがやってきたら--その2--> |
最近の話。女子社員を男子社員数員が取り囲んで、退職届に判を押させ
たということがありました。大変憤りを感じる話しですが、同時になん
とも悲しい話でもあります。そんな時は警察を呼ぶぐらいの気持ちが必
要です。
とにかく、退職届等にはサインしない。判を押さない。これが肝心です。
それから家に帰って冷静に考えましょう。
0407
| <突然あなたに肩たたきがやってきたら--その3--> |
家に帰って考えましょう。とにかく解雇は簡単にできません。「整理解雇
の4要件」(最高裁判決)というのがあります。自分あるいは会社がその
要件に当てはまっているかどうか確かめてください。
**整理解雇の4要件**1.どうしても解雇しなければならないほどの経営
状態にあるか2.首切りを回避するために、会社はあらゆる努力をしたか
3.首切りされる人の人選と、その適用基準が合理的であるか4.働いて
いる人や労働組合と事前に協議をつくすなど、解雇に至る手続きに合理性
があるか
0408
| <突然あなたに肩たたきがやってきたら--その4--> |
前号の整理解雇4条件を自分の場合に当てはめて、どうですか。どれもあ
てはまらないと思っているあなた、反撃の開始です。まず、あなた一人で
闘えますか。もし職場で同じ立場になっている同僚がいたら、一緒に闘え
るかどうか、検討してみましょう。一人で闘うより、一人でも多いほうが
力が何倍にもなります。でも決して一人でも闘えないわけでありません。
私たちの組合は合同労組と言って一人でも入れる組合です。ベストは数人
で組合員になること。でも一人でもOK。なぜ組合にはいるかというと、@
組合員になることによって労働組合法の保護を受けること。A合同労組に
入ることによって、これまで労働組合に蓄積された経験が生かされること。
B経験に裏打ちされた専門スタッフが、相談・指導してくれること。C場
合によって抗議行動が必要な場合は、職場では一人でも、合同労組の他の
職場の組合員が手弁当で参加してくること。
0409
Q:会社を退職して同業他社に就職しようと思っているのですが、現在
の会社から同業他社に就職するのであれば退職金も支払わないし、
訴えると言われています。こんな事許されるのでしょうか?
A:法律的にいうと「職業選択の自由」と「競業避止義務」との兼ね合
いになります。このような場合、雇用契約書や就業規則等に同業他
社への就職に関して、何等かの規制があるかどうかということがま
ず最初の判断基準となります。また、就業規則等にそのような規定
があったとしても、その労働者が行っていた業務の内容、同業他社
への就職を止める期間の長さ、制裁の程度によって規則は無効とさ
れることもあります。
0410
<質問>
「製造会社の現場労働者です。退職を申しいれたら会社から退職後3年
間は会社と競合する業種に就かないと誓約書にサインしろと迫られてい
ます。職業選択の自由を犯すのではないでしょうか。どうしたらいいで
しょうか」
<回答>
メール拝見いたしました。競業避止義務の契約は無制限に許される訳
ではありません。労働者に対する退職後の競合他社への就職規制は、規
制が労働者の憲法22条の職業選択の自由を不当に制約することのない
ように、規制の対象を厳密にしています。規制(2年間)の対象となりう
るのは、「営業秘密を知り得る立場にある者」に限られます。すなわち、
技術の中枢部の職員、「営業秘密を知り得る立場にある」営業担当社員
等です。一般の単純労働に従事する労働者には規制はできません。しか
し、規制の対象者であっても、その義務を負う場合とは、あらかじめ、
入社時の最初から「労働契約」や「就業規則」「労働協定」に明白な定
めがなければいけません。
また、以下にあるような要件を満たして初めて認められるとした判例が
あります。
(1)競業避止義務を必要とする合理的な理由 (2)競業避止義務の必
要を満たす範囲でのみ合意がなされている(3)正当な手続(4)禁止
に見合う正当な対価の存在。
ですから、実際に競業避止義務の契約が「有効」になる場合は上で紹介
した厳密な条件が必要です。
0411
| <契約を取れずに辞めるなら給料を返せと会社に言われた> |
<質問>
営業員です。契約が一本も取れませんでした。実家の都合で退職届を
出したところ、会社から「契約を取らずに辞めるなら今までの給料を返
してもらう」と言われました。
<回答>
メール拝見しました。以下参考にしてください。「契約をとらず急に辞
める場合は給料を返還」などということが、本当に会社の就業規則に定
められているかどうかをまずチェックしてください。もし定められてい
ないのなら、会社側が「給料を返せ」と言ってきても何の根拠もない話
なので、通常の退職手続きをとられたらいいと思います。
つぎに本当に定めてあった場合です。それが労働者の退職を足止めさせ
るためなら労基法16条の「違約金や賠償予定の禁止」に反します。あ
らかじめ金額を定めて過怠金や罰金をとるという制度を定めることは違
法なのです。あるいはそれが何らかのペナルティーとして課していると
しても労基法91条の「減給制裁の制限」に反します。
労基法92条で「就業規則は、法令または労働協約に反してはならない」
と定めてあるように、序列は「法令>労働協約>就業規則」です。つま
り労基法に違反している就業規則は無効です。
あなたが働いた分の給料は賃金として全額支払ってもらう権利がありま
す。仮にあなたが退職することで損害が発生したと会社側が主張したと
しても、損害賠償権と賃金支払い債務を相殺することは許されません
(労基法24条)。もしきちんと賃金を支払わない場合は、会社の所在
地を管轄する労働基準監督署に「労基法違反申告書」を提出し、是正措
置をとってもらいましょう。
賃金を支払ったうえで会社側が改めて損害賠償をあなたに請求してきた
場合、裁判で勝てるか負けるかは詳細がわからないので一概には言えま
せん。ただ、そもそも会社側が損害賠償をあなたに請求するために必要
な退職と損害の発生との因果関係、損害賠償の範囲などの裁判上主張、
立証は極めて困難だと思われます。
念のため労働者側の立場で活動している弁護士(日本労働弁護団)の無
料電話相談窓口を下記に紹介します。よろしければ相談してください。
日本労働弁護団 http://homepage1.nifty.com/rouben/soudan1.htm
電話 03−3251−5363
受付 毎週火曜日と木曜日午後3時から午後6時
0412
<質問>
「給料明細では税金や社会保険料分が引かれているのですが、実際は払
っていないようなのです。確かめたくて会社の税理士に源泉徴収票の交
付を求めましたが、いつまでも出してくれません。どうしたらいいでし
ょうか」
<回答>
メール拝見いたしました。源泉徴収票が交付されない場合、会社を管
轄する税務署に、所得税法第226条に基づく源泉徴収票不交付の届出
をしてください。給与明細書が手元にある場合は給与明細書の写しもあ
わせて持参してください。くわしくは、直接税務署にお問い合わせくだ
さい。郵送で請求する事も可能な筈です。
住民税・雇用保険を給与から天引きしているにもかかわらず、納付して
いないのが事実であれば、不当利得になります。返還請求してください。
このような税理士が実在するならば、懲戒処分されても不思議ではあり
ません。
0413
<質問>
契約社員です。契約期間途中で退職したいのですが、会社は「契約不履
行」で訴えると脅かされます。
<回答>
契約期間途中でも、「正当な理由」があれば、期間の途中でもただちに
解約できます。
当然のことですが、会社が残業代を支払わないなどの労基法違反を行っ
ている場合や悪質なセクハラなども解約できます。
また労働契約の初日から一年を経過した日以降においては、使用者に申
し出ることにより、いつでも退職できます(労基法137条)。
また、労働条件が労働契約と著しく事実と相違する場合においては、労
働者は即時に労働契約を解除することができます(労基法第15条2項)。
また、民法628条は「やむを得ない事由」の場合は解約を認めていま
す。1.本人の病気 2.両親や子供の病気の介護などです。
0414 149
| <片道3時間先に配転命令、退職したいが会社都合退職となるか> |
<質問>
「会社から配転命令がでました。片道3時間先の営業所です。肉体的に
無理だと判断して退職することにしました。会社に通告したところ自己
都合退職だといわれました。私としては配転命令が契機の退職ですので
当然会社都合退職となると思っていました。雇用保険との関係で早急に
はっきりさせたいです。」
<回答>
雇用保険には、会社に退職の原因がある離職者を「特定受給資格者」
とする制度があります。「特定受給資格者」とは、自己都合退職と異な
り、3ヶ月間の支給停止期間はなく、かつ支給期間が長いことが特徴で
す。「特定受給資格者」制度の基準の中には解雇などの他に、<遠隔地
への配転を命じられて通勤が困難となり退職した者>があります。この
場合は片道2時間以上を基準としています。ですから本件の場合は当然
「会社都合退職」となります。離職票の本人記載欄に特定受給資格者で
あることを明記するとともにハローワークで強く主張して下さい。
また「特定受給資格者」の他の要項としては、1.倒産 2.事業所の
縮小 3.事業所の閉鎖 4.事業所の移転と通勤の困難 5.解雇
6.労働条件が採用時と著しく相違している 7.賃金が2ヶ月にわた
り三分の二しか支払われない 8.賃金が85%以下に切り下げられた
9.残業が月45時間以上(退職前3ヶ月間)続いた 10.期間の定めが
ある契約更新を3年以上続けていたのに、契約が更新されなくなった
11.上司・同僚から著しい嫌がらせを受けた(セクハラ等も含む) 12.
会社から直接・間接の退職勧奨をされた 13.会社都合の休業が3ヶ月
以上続いた 14.会社が仕事の上で法律違反をしている。
などがあります。他に該当する箇所はないでしょうか。
「特定受給資格者」制度
0415 151
<質問>
「製造会社の現場労働者です。退職を申しいれたら会社から退職後3年
間は会社と競合する業種に就かないと誓約書にサインしろと迫られてい
ます。職業選択の自由を犯すのではないでしょうか。どうしたらいいで
しょうか」
<回答>
「メール拝見いたしました。競業避止義務の契約は無制限に許される訳
ではありません。労働者に対する退職後の競合他社への就職規制は、規
制が労働者の憲法22条の職業選択の自由を不当に制約することのない
ように、規制の対象を厳密にしています。規制(2年間)の対象となりう
るのは、「営業秘密を知り得る立場にある者」に限られます。すなわち、
技術の中枢部の職員、「営業秘密を知り得る立場にある」営業担当社員
等です。一般の単純労働に従事する地位の低い労働者には規制はできま
せん。しかし、規制の対象者であっても、その義務を負う場合とは、あ
らかじめ、入社時の最初から「労働契約」や「就業規則」「労働協定」
に明白な定めがなければいけません。
また、以下にあるような要件を満たして初めて認められるとした判例が
あります。
(1)競業避止義務を必要とする合理的な理由 (2)競業避止義務の必
要を満たすに必要な範囲でのみ合意がなされている(3)正当な手続
(4)禁止に見合う正当な対価の存在。
ですから、実際に競業避止義務の契約が「有効」になる場合は上で紹介
した厳密な条件が必要です。
