10月からの雇用保険制度改悪について

−「特定受給資格者」の活用を−


  2007年10月から「正社員」「パートタイマー」といった被保険者区分の廃止などの適用・受給関係の“改悪”雇用保険法が施行されます。
  改悪の最たるものは、離職理由が「自己都合」である場合においては、受給資格期間が「6カ月以上」から「1年以上」に延長されること。これまで入社から最短6カ月で失業給付を受けられたものが、倍の期間「1年間」勤め続けなければ、格差社会の申し子=失業に対する保障が一円も支給されない結果となってしまいます。

労働者にとって、より労働条件のよい職場を追求し、生活を安定させるための、あるいは過酷な労働条件から解放されるための、「離職する自由」は、最大限に尊重されなければならないもの。日本国憲法に保障する「職業選択の自由」の一環としても評価されなければなりません。

この労働者固有の権利を、受給濫用防止の名の下、これまでの受給資格期間を倍に延長させることでいたずらに制限する今回の制度改悪に対しては、労働にいそしむ皆さんに、社会に声を大にして訴えていかなければならないと、我々は考えました。

そこでぜひ注目したいのが「特定受給資格者」制度(別項参照)。これは、会社の倒産や解雇はもとより、労働契約時に提示された労働条件と事実との著しい相違、賃金未払い、長時間労働等が原因で労働者自身の責によらず離職を余儀なくされたときは、失業給付に関して通常の所定給付日数にプラスアルファが付くというものです。しかも、受給資格期間もこれまでの「6カ月」のままですから、“使い手”はかなりあると思われます。

たとえば、引き続く賃金未払い、15%超の賃金カット、3カ月にわたる月45時間超の残業などがもとで退職した場合、これまで会社によって「自己都合」とされていませんでしたか?実はこれらすべて特定受給資格要件に該当します。事実を裏付けできる証拠資料等があれば、迷わず、ハローワークに異議を申立てましょう。

この際特定受給資格者制度を学習し、退職にあたっては、資格者に該当させるための「条件探し」「環境作り」をすることが、このたびの改悪に対抗する強力な手段であろうと判断します。

皆さんぜひ、特定受給資格者についての認識を深め、より有効に活用していきましょう。


特定受給資格者の判断基準   詳しくは

I 「倒産」等により離職した者
1.  倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等)に伴い離職した者
2.  事業所において大量雇用変動の場合(1ヶ月に30人以上の離職を予定)の届出がされたため離職した者及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が離職したため離職した者
3.  事業所の廃止(事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者
4.  事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者

 

 

II 「解雇」等により離職した者
1. 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者
2.  労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者
3.  賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2ヶ月以上となったこと等により離職した者
4.  賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)
5.  離職の直前3ヶ月間に連続して労働基準法に基づき定める基準に規定する時間(各月45時間)を超える時間外労働が行われたため、又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者
6.  事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行なっていないため離職した者
7.  期間の定めのある労働契約(当該労働契約の期間が1年以内のものにる。)更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者
8.  上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者
9.  事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない。)
10.  事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3ヶ月以上となったことにより離職した者

11.

事業所の業務が法令に違反したため離職した者

労働相談センター全国一般東部労組ジャパンユニオン