こんなときどうする
労働相談Q&A
 

 

 


07年次有給休暇


0701
<昼パートで週一働く。年休はない?>

Q

年休日数

10 日

11 日

12 日

14 日

16 日

18 日

20 日

☆ 週所定労働時間が 30 時間未満で週所定労働日 数 が 4 日 以下の場合、または 1 年間の所定労働日数が定められている 場合 の年休付与日数

週所定労働日数

1 年間の所定労働日数

継続勤務期間

6 ヵ月

1 年

6 ヵ月

2 年

6 ヵ月

3 年

6 ヵ月

4 年

6 ヵ月

5 年

6 ヵ月

6 年 6 ヵ月以上

4 日

169 〜 216

7 日

8 日

9 日

10 日

12 日

13 日

15 日

3 日

121 〜 168

5 日

6 日

6 日

8 日

9 日

10 日

11 日

2 日

73 〜 120

3 日

4 日

4 日

5 日

6 日

6 日

7 日

1 日

48 〜 72

1 日

2 日

2 日

2 日

3 日

3 日

3 日

 あなたの場合は、週 1 日勤務で 2 年間働いているということですから、最低年に 2 日の年休が付与されなければならないことになります。

 なお、年休の消滅時効は賃金と同様に 2 年です ( 労基法 115 条 ) 。

 もしあなたが前年度付与されるべき 1 日を未だ取得していないとすれば、それは本年度に繰り越され、合計 3 日の年休取得が可能ということになります。

 年休取得は、使用者が恩恵的に与えるものでなく、法律が労働者に保障している権利です。あなたが年休取得を申請しても経営者がそれを認めない場合には、労働基準監督署に「申告」し、会社に対して是正勧告を行うよう求めることができます。

 法律で決められている年休さえ認めない経営者は、それ以外にも働く者の権利を無視し、過酷な労働をいろいろ強いているものと思います。

 そうした経営者に対しては、職場に労働組合を作り対等の立場で交渉することが最も良い方法だと思います。一度、職場の仲間と労働組合について話し合ってみてはどうでしょうか。


0702
<私は入社したばかりなのですが>

Q: うちの会社は、夏季(5日)及び年末年始(7日)の休暇を年休の計画的付与として扱っています。私は入社したばかりなので年休は発生しない時季に夏季休暇になりますので、欠勤扱いにすると言われていますが納得できません。どうにかならないでしょうか?

 

A: 年休の計画付与という制度は、労働者本人が自由に取得できる年休のうち5日を超える分について使用者が日を指定して付与できるというものです ( 労基法 39 条 5 項 ) 。

 あなたが勤める会社の場合、夏季と年末年始合わせて 12 日を年休の計画付与扱いにするということですから、これに本人が自由に使える 5 日分を加えると、最低 17 日の年休が必要となります。

 あなたのように入社間もない労働者は計画付与日数に必要な年休が足りないことになりますが、休暇といっても本人の意思に関係なく会社の都合により休まざるを得ないわけですから、それを欠勤扱いとすることは許されません。

 そこで、このような問題を回避する措置としては次の2つの方法が考えられます。

 (1) 年休が足りない労働者に対して特別に年休を与え、労基法上の要件(自由に取得できる 5 日の確保)をクリアする。

 (2)  計画的付与を行う予定日を事業所全体の休業として休業手当(平均賃金額の 100 分の 60 以上)を支給する ( 労基法 26 条 ) 。

 いずれにしても、このような年休の計画的付与を行うにあたっては、従業員の過半数を組織する労働組合又は従業員の過半数を代表するものとの間で、計画付与の日数、方法などについて書面による協定を締結することが義務付けられています ( 労基法 39 条 5 項 ) から、前記のような内容を使用者とよく話し合って取り決めるべきでしょう。

 


0703
<転職を理由とした有給休暇の消化はダメなの?>

Q: 現在、勤続 3 年目、契約社員(1年ごとに更新)です。  問題となっているのは、「有休消化」についてです。現在勤務中の企業では、有休をほとんど使用させていただけず、私にも前年度の繰越分と合わせて23日の有休が未消化で残っています。今まで退職していった方は、退職時に有休は全て消化していますので、私も退職までにまとめて有休を消化したいと考えているのですが、上司に相談したところ、「結婚・出産を理由とする退職では、有休の取得を認めていますが、転職を理由とする退職では、有休の取得を認めていない」  とのこと。「転職」という理由だから、有休の取得を企業側が拒むことは合法でしょうか? 

A: 「転職を理由とする退職では、有休の取得を認めていない」は完全に違法行為となります。以下参考にしてください。

 労基法 39 条4項は「使用者は、年休を労働者の請求する時季に与えなければならない」と規定しています。 

 使用者側ができるのは、同条の但し書きで労働者が「請求された時季に有休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」という「時季変更権」だけです。しかも、その場合の「事業」とは、あなたの「業務」や「部署」基準にするのではなく、「事業所全体」という意味です。

 会社としては、労働者が有給休暇を取っても業務に支障が出ないように「代替え要員を配置」するなどの努力をすべきであり、それもせずに時季変更権を行使することは認められていません。

 また、労働者が退職時に有給休暇を取得する場合には、会社は時季変更権を行使することができず、労働者は退職日から起算して残余の有給休暇日数を全部消化することができます。なぜなら、退職者には変更できる時季が存在しないからです。

 さらに、労基法 136 条では、使用者は年休を取得した労働者に対して、不利益取り扱いをしてはならないとも明記しています。つまり、年休を取ったことを理由に、給与・賞与に関わる評価を下げるとか、諸手当をカットするとか、年休取得日を勤務日数に算入しないなどといった不利益行為を禁じているわけです。また、年休を取りにくい部署やあえて取らない者を優遇することも、年休取得を抑制することになるので禁じています。

 退職者が保有する残りの有給休暇を買い取ることを請求することと会社がそれに応じること(こういう会社は結構多いです)は違法ではありませんが、残念なことに会社がこれを拒否しても違法とはなりません。

 また、有給休暇の請求権は退職した後に行使することはできません。

 有給休暇を全部行使できる計算で退職日を決め、同時に有給休暇の届けを提出しても、会社がそれを拒否した場合は、もよりの労働基準監督署に労基法違反として「申告」することができます。

 また一人でも入れる地域の労働組合やユニオンに加入して会社と交渉する道もあります。

 


0704
<忙しいといって有給休暇を認めてくれない>

Q: 有給休暇を申請しても上司がほとんど認めてくれません。上司は「いそがしい」「業務繁忙だ」「会社には時季変更権がある」などといい、どうしても認めてくれません。

A: 労働基準法 39 条第 4 項では、「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」と定めています。

 前半部分を労働者の「時季指定権」と呼び、有給休暇権の重要ポイントの一つです。

 一方、後半部分を使用者の「時季変更権」と呼び、指定権に対する「ささやかな」物言いという位置付けを取らせています。誤解していただきたくないのは、決して「拒否権」ではないということです。

 つまり、有給休暇を取得する日を特定してきた労働者に向かって、「この日に休まれてしまうと、業務において会社が立ちゆかなくなってしまうほどの大打撃を被る(事業の適正運営の困難性を判断する際は、「予測」程度ではなくそうしたことが起こりうる高い確実性が必要)から、○月○日か×月×日にしてくれなないだろうか(具体的な代替日を提示し打診)」と、その「日にち」の変更をお願いする権利、ということになります。

 それでは、この時季変更権行使の要件として本法に掲げられている「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、いかなる状況をもって判断するのか? 判例においてはこんな謳い方をしています。

 「当該労働者が所属する事業場を基準として、事業の規模、内容、当該労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労使慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきである」(昭和 53.1.31 大阪高裁判決)

 厚生労働省の通達にあっても、「これらの判断は一次的には使用者にあるが、客観的に認められる場合でなければならないのは当然であり、当該事由が消滅した後は、できる限り速やかに与えなければならない」(昭和 23.7.27 基収第 2622 号)とされています。

 また、有給休暇を申請した労働者に有給休暇を与えるための職場の適切な人員配置や代替要員をあらかじめ用意していることが全ての前提となります。代替要員も置かずに「時季変更権」など使用できるはずはありません。

 いずれにしろ、使用者が恣意的に(自分勝手に)変更させることは一切不可能ということが、これでお分かりでしょう。

 


0705
<有給休暇時の交通費の扱い>

Q: 海外旅行のため有給休暇で 10 日間休みました。帰国したら、会社が「休んでいる時の交通費を返せ」と言って来ました。返さないといけないのでしょうか。

A: 会社の就業規則等を点検してみてください。就業規則で通勤費として「公共交通機関の定期券代金に相当する金額の手当を支払う」旨が明記されている場合は、労基法 11 条の賃金(労働の代償として使用者が労働者に支払うすべてのもの)と考えられ、労基法 24 条(賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない)の適用を受けることになります。 

 ですから、このような社内規定がある場合は、給料から有給休暇の日数分の通勤費を差し引くことは違法と考えられます。

 反対に「通勤している実績に対して通勤費を支払う」と言う規定がある場合には、通勤しない時の分はもどさなければならない場合もあります。

 


0706
<残業代と有給休暇の相殺>

Q: 私の職場では、有給休暇を取得して休み、同じ月に残業をすると残業代と有給休暇分の給料が相殺されてしまいます。パートの時給 800 円で 8 時間勤務し、 2 時間の残業をした日が 4 日あったとします。残業代は合計 8 時間分つくはずですが、同じ月に 1 日の有給休暇をとって休むと、チャラになってしまうのです。パート仲間でも忙しい時期に残業しても残業代がつかないのは納得いかないという話になっています。このような会社側の対応に問題はないのでしょうか?

A: 有給休暇とは、その名が示すように労働者が休暇を取っても使用者は働いたものとしてみなして賃金を支払わなければならない休暇のことです。残業代は、所定の労働時間を超えて働いた場合に払われる割増賃金のことです。どちらも使用者は賃金を支払わなければならないのですから、それを相殺するということは、一方の賃金を支払わないということになりますから、賃金の支払いについて定めた労基法 24 条違反にあたり、処罰の対象となります。

 従って、あなたが 1 日 8 時間、週 40 時間を超えて働いた分は明確な残業であり、それに対しては、例えその月に有給休暇を取ったとしても、 2 割 5 分以上の割増賃金が全額支払わなくてはなりません。

 なお、残業代の請求権消滅の時効は 2 年ですので、これまで年休と相殺された残業代を計算し、全額取り戻して下さい。

 それでも、会社が支払ってくれない場合は、所轄の労働基準監督署に出向き、「申告」という手続を取ることによって会社に対する勧告、指導を求めることができます。

 


0707
<年休の計画付与>

Q: 今年から休暇の内容に変更がありました。今までは有給休暇+夏期休暇+冬季休暇があり、毎年、会社の指定した夏期休暇( 6 日間)と冬季休暇( 6 日間)とその他に自由に取れる有給休暇、その他には事情により会社が休みの時は従業員も休みでした。しかし今年から、有給休暇+夏期休暇( 5 日間)+冬期休暇( 5 日間)になり、もし会社が夏期休業日を 7 日間とした場合、従業員は夏期休暇 5 日間と有給休暇の中から 2 日分が削られることになりました。冬期休暇も会社が年末年始を 7 日間の休みとした場合は、従業員の冬期休暇 5 日間+有休 2 日が自動的に引かれます。このようなことは、法律的にどうなのでしょうか。

A: お尋ねの休暇制度の変更は、「労働条件の不利益変更」と「年休の計画付与」という二つの問題点があります。

 まず、これまで夏季と冬季に 6 日ずつあった休暇がそれぞれ 5 日になるということは、休暇が 2 日削減されたことになりますから、明らかな労働条件の不利益変更となります。賃金や労働時間、休暇などの労働条件を労働者にとって不利な内容に変更する場合は、労働者の同意なしにできないというのが大原則です(労働契約法 8 ・ 9 条)。  

 次に、夏季や冬季、あるいは特定の閑散期に会社を休業するため、従業員に対して、あらかじめ有給休暇を与える日をその休業日に特定すること(有休の計画付与)自体は違法とは言えません ( 労基法 39 条 5 項 ) 。

 ただ、計画付与を行う場合、労働者が自由に使える有給休暇を最低5日間は残しておかなければならず、それを下回る場合は、労働基準法違反として無効になります。

 また、計画付与を行う際には、過半数労働組合もしくは従業員の過半数を代表する者との協定を結ばなければならず、そのような手続が行われていないということであれば、労働基準法違反として無効になります。


0708
< 残業時間の有給休暇への代替 >

Q: 先月は仕事が忙しくて、残業を 92 時間もせざるを得ませんでした。ところが会社は、法改正により残業時間の一部を有給休暇に振替えることができるようになったとして、有給休暇への代替を求めてきました。残業時間の有休への代替は違法ではないのでしょうか。

 

A: 残業時間を有給休暇へ代替して割増賃金を払わないというやり方は、基本的に違法です。ただし、 2010 年の労基法改正により、月 60 時間を超える時間外労働については、その一部を有給休暇に代替できるようになりました。

 この時の改正の中心は、月 60 時間を超える時間外労働をした場合、 60 時間を超える労働についての法定割増賃金率を 25% から 50% に引き上げるというものでした。これによって増える時間外労働の抑制を狙ったのですが、その際、人件費増を危惧する経営側の要望もあって、時間外労働時間を有給休暇に代替できるという制度が導入されました。

 具体的には、月 60 時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、 50% の割増賃金を支払う代わりに、有給休暇を付与した場合は 50% のうち 25% 分の割増賃金は支払う必要がない、という制度を設けたわけです ( 労基法第 37 条第 3 項 ) 。ただし、この制度を使って有給休暇に代替することのできるのは、 60 時間を超えた時間外労働の全てではなく、あくまで割増率がアップした 25% 分に限ってであります。

 あなたが先月働いた残業 92 時間の場合を例にすると、次のようになります。

  @代替しない場合  60 時間× 1.25 + 32 時間× 1.5 で割増賃金を計算

  A代替した場合   92 時間 (60 時間+ 32 時間 ) × 1.25 で割増賃金を計算

 32 時間× 0.25 = 8 時間 代替可能な有給休暇

 それから、この振替休暇制度を採用する場合には、代替休暇を与えることができる時間数の算定方法、代替休暇の単位、付与できる期間などについて定めた労使協定の締結が義務付けられています ( 労基法施行規則 19 条の 2) 。

 なお、 60 時間を超える時間外労働に対する法定割増率 50% の適用とそれに伴う代替休暇制度を導入できる企業は大企業のみであり、労基法第 138 条に該当する「中小企業」の場合は当分の間は適用除外となっていますので、留意してください。


0709
< 有給休暇を時間単位で取りたいのですが >

Q: 私が勤める会社では有給休暇の半日取得は認められているのですが、先日、病院に寄り薬をもらってから出勤しようと有給休暇の時間単位の取得を頼んだところ、それはできないと断られてしまいました。時間単位の有給休暇取得は認められないのでしょうか?

 

A: 有給休暇制度は、労働者の休養・リフレッシュ、福祉向上などを目的に休暇を取得することによって、健康で文化的な職業生活を送ることを目的にしたものであります。従って、有給休暇はできるだけ長期に連続して取ることが望ましいといえます。そのため、有給休暇の取得はこれまで暦日単位が原則とされ、分割する場合でも半日単位を限度とされてきました。

 ところが、労働者側からは、病院に行くために 2 時間とか、役所の手続のために 1 時間といった時間単位の有給休暇を認めて欲しいとの要望が強くあり、それが認められれば有休の取得率の向上にもなるということもあって、 2010 年の労基法改正で時間単位の取得が部分的に認められることとなりました ( 労基法 39 条 4 項 ) 。

 ただし、この制度の導入に当たっては、@時間単位の有休を与えることができる労働者の範囲、A時間単位として与えることができる有休日数( 5 日以内)、について労使協定を結ぶことが要件となっています ( 労基法施行規則 24 条の4 ) 。

 時間単位の有休休暇は、暦日単位のように無条件で使用者に付与義務が課せられているのではなく、あくまで労使協議で決めた範囲内で時間単位での取得ができるということです。

 


0710
< 雇用形態の変更と年休 >

Q: 私はパートとして週三回勤務から始まり、次第に労働日数も増やし、現  在は正社員と同じ労働時間で働いていますので、契約社員として採用されることとなりました。ところが、今月の給与明細に記載される有給休暇が10日間だというのです。私はパート時代に7日間の有給がついているものだと思っておりましたので、現在の有給休暇残数は17日間になると思うのですが、いかがなものでしょうか?7日とまではいかなくても、パート勤めは労働時間数にもよるが最低4 日間の有給休暇が支給されると認識しております。ご助言賜りますようお願い申し上げます。

 

A: 有給休暇は労働日数週5日間以上、週30時間以上勤務の場合、「勤続6ヶ月で10日間、1年6ヶ月で11日間、2年6ヶ月で12日間、3年6ヶ月で14日間、4年6ヶ月で16日間、6年6ヶ月以上で20日間」です。前年度の残日数は繰り越せます。

 パートの場合(労働時間30時間未満)で所定労働日数が少ない場合は、週 4 日勤務 半年で 7 日間、 1.5 年勤務で 8 日間、 2.5 年勤務で 9 日間・・・週 3 日勤務 半年で 5 日間、 1.5 年勤務で 6 日間、 3.5 年勤務で 8 日間・・・となっています。もちろん前年度分は繰り越せます。

 問題は、本件のようにパートから契約社員や正社員になった場合ですが、この場合もパート時代の勤続年数をそのまま継続して計算しないといけません。その場合、あなたの毎年の有給休暇の基準日(発生日)の時点での労働日数と労働時間が基準となります。つまり、仮に、基準日の時点でパート時代も含めて勤続2年6ヶ月として、その時点での勤続が週5日以上・週30時間以上の場合は、その時点で有給休暇は12日間発生します。

 仮に、前年度の基準日で週5日以上、週30時間以上であればその時点で11日間発生しますので(全部残っていたとして)この分も加算され23日間となります。同基準日で週3日のパートの場合は仮に基準日で1.5年勤続であった場合、6日間発生していますので、この分が加算され18日間となります。


0711
< 有休取得で賞与減額 >

Q: 私の勤めている会社で先日賞与が支給されました。

その額が3万円ほど下がっていたので上司に理由を確認したところ、有休消化があったためとの説明でした。

現在私は妊娠中で検診や切迫流産の自宅安静の為使用しました。

有休で給料は保証されてるから賞与で差し引かせてもらったと言われました。

売上等では無く有休消化での賞与査定はあり得るのでしょうか。

どうか教えて頂けないでしょうか。

 

A: 有給休暇の取得は労働基準法に定められています。

これらの有休取得をすることと、賞与の査定は別のことです。労働者固有の権利である有休権を行使したことが査定に影響したとしたら、違法なことと考えます。

また、男女雇用機会均等法では、女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、妊娠、出産に起因する症状による不就労や能率低下等を理由とする解雇、その他不利益な取り扱いをすることを禁止しています。

妊娠等が原因の賞与減額は、この不利益な取り扱いに該当し違法なことです。

会社の今回の対応は、不当、不法な行為であると考えます。

今後、会社側と話し合いの場を持ち、交渉することも必要であると思います。

また、今後お一人では問題の解決が難しい場合、、個人でも入れる労働組合(ユニオン)の加入も考えてみてください。団体交渉等により問題が解決する場合があります。


0712
< 召し上げられる有休 >

Q: 出勤すると変更したシフト表が置いてあり、確認すると、私の出勤日が極端に減っていました。

基本的には月に公休8回という社員と同じ雇用形態なのですが、通常に出勤できる日も、ほとんどが休みになっていました。

1日から20日までで三回しか出勤がありませんでした。

店長に確認すると「これが嫌なら異動してもらうしかない」と言われました。

この店に必要ないのでしょうか?と問うと、「人件費の関係もあるし今は休んで体力を蓄えてもらいたい」と。

基本的には公休日が決まっていると伝えると「有休を使ってください」とのこと。

会社(店長個人)の都合で有休を使用することは問題はないのでしょうか?

有休にも限りがあるため、いざというとき(子どもの緊急時など)のために全てを消化するのは怖いですし、何より納得ができません。



A: 労働基準法第39条では、有休の自由な取得を労働者の権利として認めており、会社側は取得の拒否や、取得したことを理由とした不利益取扱い(解雇、降格など)をしてはならない、と定めています。

労働者が自由に行使できる権利ですので、会社側が承諾なしに勝手に有休を充当させるのは労働者の権利を奪うということで違法となります。

今回のように店長の方針として「休んでもらいたい」という意向があるならば、労働者に過失がない、会社側が決めた「休業」となる可能性もあり、労働基準法第26条により「休業手当」(最低でも賃金のおよそ6割と定められていますが、100%を請求できます)を労働者に支払わねばなりません。


0713
< 有休の通算 >

Q 昨年契約社員として就職しました。

不動産の会社なので、宅建免許の問題で四月に別の株式会社にして私はその新しい株式会
社に異動になるとの話が出ました。

入社時の説明で、有休は入社6ヶ月後から10日発生するとの話しでした。

子育て中でインフルエンザや、学校行事でどうしても休まなければならないことは会社に
理解してもらっています。

年間休日105日で、正直足りません。

夏休みは有休を使おうと思ったところ、新しい株式会社が四月スタートなので、私の有休
は四月から6ヶ月後スタートだと言われました。

夏休みは欠勤扱いになるとのことで、シングルマザーで、少しは子供と夏休みを過ごした
いと思っているのですが。

この場合、有休は始めに入社した日から6ヶ月でもらうことは出来るのでしょうか?

会社に相談しても、決まりだと言われたのですが。

A ご確認したいのは、新会社への異動は、出向の形式をとるのでしょうか、それとも転籍
となるのでしょうか。

ちなみに、出向とは、現在の会社に籍を残したまま新会社で働くことをいい、転籍とは、
現在の会社を退職して新会社で働くことをいいます。

出向であれば、有休の権利を判断する際の継続勤務性が認められます。

つまり、これまでの権利がそのまま新会社に移りますので、8割以上の勤務をしているの
であれば、現在の会社の入社日から6ヶ月後に有休の権利が発生することになります。

一方、転籍の場合は、新たな雇用関係が成立し、継続勤務性は認められないというのが一
般的な考え方です。

つまり、転籍した日が入社日となり、当該日から6ヶ月勤務しなければ有休の権利はもら
えません。

ただし、あなたのケースは、現在の会社の一部門を別会社にするとのことですので、一
般的な転籍の考え方とは異なる場合も出てきます。

会社の一部門を別会社にするには、「会社分割」という方法と「事業譲渡」という方法があ
るのですが、どちらを使うかによって、労働者の有休の権利も違ってくるのです。

「会社分割」の場合は、労働者の労働条件は新会社にそのまま移転します。したがって、
有休の継続性が認められることになります。上記、出向の場合と同じということです。

一方、「事業譲渡」の場合、労働者の労働条件は、譲渡会社(現在の会社)と譲受会社(新
会社)との契約によることになります。両社の契約により、労働条件をそのまま引き継ぐ
のか、部分的に変えるのかを定めます。変えるのであれば、年休の権利はどうするのかと
いう点も明確にするのが通常です。

ただし、会社によっては就業規則等で、転籍先に有休の権利を引き継ぐことを定めている
場合もあります。この場合は「事業譲渡」でどのような契約をしようと、就業規則等の方
が優先されます。

以上を整理しますと、次の3つを確認することが必要と考えらえます。

1、出向か転籍かの確認

 出向であれば、現在の会社の入社日から6ヶ月後に有休の権利が発生します。

2、転籍の場合は、「会社分割」か「事業譲渡」かの確認

 「会社分割」であれば、現在の会社の入社日から6ヶ月後に有休の権利が発生します。

 「事業譲渡」であれば、会社間の契約によることになります。

3、転籍先に有休の権利を引き継ぐことを定めた就業規則等がないかの確認

 これらを確認したうえで、もし、納得のいかない点があれば、会社と再度話し合いをし
てみてはいかがでしょうか。
 
その上で、会社が誠実な対応をしてくれない場合や、対応に不満がある場合には、まず行
政の相談機関として、都道府県労働局や労働基準監督署に無料の労働相談コーナーが設置
されています。そこでこちらの状況を説明し、どのように行動すればいいのか相談してみ
てください。

また、行政でのアドバイスを踏まえ、会社には「行政に相談したところ、」というような前
置きをして行政の見解を伝えれば、会社側も対応を改めるでしょう。

民間の相談機関としては、労働組合があります。

メール相談も可能ですし、過去に同様の経験をなさった方が、組合に相談にいらしている
可能性もあります。
その方がどのように対処したのか聞けるかもしれません。


0714
< 有休取得の事後申請 >

Q 主人の会社のことです。

病欠で入院したりして10日程休みました。

月給制ですが給料欠勤控除されました。

有給休暇の申請をしましたが、診断書がないと使えませんと言われました。

出せないと言ったら「給料から引くか、今診断書を取ってくるか」とせまられ、主人は怒って「引いてくれ」と言ってしまったようです。

今日給料明細を見たら、8万円引かれてました。

有休は使えませんか?

A ご相談いただきました件につきまして下記ご案内申し上げます。

関係する法令は末尾に記載しておりますのでご参照ください。

年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは労働者の自由です。

取得理由によって認めたり認めなかったりすることはできません。

一方、年次有給休暇の請求(これを「時季指定」といっています)は「事前」が原則です。

事後申請を認めなくとも法律上は問題はないとされています。

ご相談のケースでは、有給休暇申請の経緯が不明ですので、はっきりしたことを申し上げることはできません。

しかし、10日程のお休みについて、休む前に年次有給休暇として請求されていたならば、欠勤控除(年次有給休暇分の賃金を払わない)は、賃金不払いという労働基準法違反の疑いが生じます。

診断書を出すか否かの問題ではありません。

取得理由は不問だからです。

もし、事前に請求したにも関わらず賃金を欠勤控除されたならば、一度会社所在地を管轄する労働基準監督署にご相談されることをお勧めします。

〇 労働基準法第39条第5項[年次有給休暇の時季指定]

使用者は、有休休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

〇 労働基準法第104条[監督機関に対する申告]

事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。


0715
< 半年後の退職だから有休も半分? >

Q:日本メーカ企業のセールスマンです。

来年の2月末か3月末で会社を辞めることになりました。

現在会社ともめているところは有給休暇です。

わが社のルールでは、毎年9月21日に有休が加算されます。

私の場合は、20日加算され、それを今残っている10日と一緒に退職前に使うつもりでしたが、総務担当者いわく「2、3月にやめるのであれば、それは1年の半分の期間。9月に加算された有給は半分の10日になるから、
今残っている10日は取り消される」とのこと。

法律的にはどうでしょうか?

A:有給休暇が9月21日に加えられる、とのことですが、これは、労働基準法でいう、基準日になります。

この基準日をもとに、8割以上の出勤日数を満たせば有給休暇が付与されます。
(会社への在籍期間により付与される日数は異なります。)

当然在籍期間が長ければ、付与される日数も多くなり、(一年に最大20労働日)前年の余ってしまった有給休暇は、2年間の時効の関係上、繰り越しもできます。

有給休暇は上記のように基準日において要件を満たしていれば自動的に、付与されるものなので、相談内容にあるように、半年後に退職だから、有給休暇も半分の10労働日というのは、労働基準法的には認められません。

法的にはしっかり20労働日分の権利がありますし、前年10日分余っているのであれば、2月または3月の退職予定でも、合計で30日分はあることになります。

とりあえず、もう一度、会社と話しあい、会社の対応に納得いかなければ会社の所在地を管轄する労働基準監督署に申告してもいいと思います。


0716
< 有休使えない新入社員の強制休業 >

Q:私の勤めている会社では今年のゴールデンウィークを有給休暇を使って超大型連休にしようということになりました。

しかし私を含め、今年の4月入社の社員には有給休暇はありません。

なので4月の28日、30日と5月の1日、2日の4日間は欠勤扱いになり、その分給料から引かれます。

会社側から「この超大型連休中は会社を閉めたいので、社員は休んでください。」と言ったのに、その分新入社員から給料を当然のように引くのは少し納得がいきません。

この場合、法律的には給料を引くことは正当なのでしょうか?

すみませんが返信のほど、よろしくお願いいたします。

A:おっしゃる通り、今年の4月入社でしたら、5月のゴールデンウイークには年次有給休暇の権利は発生していません。

なので、会社の都合で労働者を休業させていることになり、会社は労働基準法上の休業手当を4日分、労働者に支払わなければなりません。

休業手当の額は平均賃金(だいたい月給を1日分に換算した額)の少なくとも60%になります(労働基準法第26条)。

なのでその休業した4日分の給料が平均賃金の60%以上なければなりません。

その4日間が無給であったり、平均賃金の60%未満なら法違反ということになります。

相談できる行政機関としては、会社所在地を管轄する労働基準監督署になります。


0717
< 退職間際の有休取得 >

Q:私は、現在、自己退職がきまっています。

退職届けを出す際に、有給休暇残りが何日あるかを聞いてみたら、35日あるということでした。

てっきり全て消化して退職だと思っていたら、上司からはそんなに沢山あげることは出来ない、という回答でした。

結果、20日有給を使用し退職することで、話がつきました。

その時は同僚や関係者が、これから仕事量も増えるし、大変だろうからしょうがないかと割りきりましたが、よくよく考えてみると、それとこれとは別問題だろうという気持ちが沸いてきました。

もし、私が残りの有給を消化したいと申しでた場合には、会社としてはこの申請を拒否できるのでしょうか?

A:ご自身の考え通り、それとこれとは別問題というのが正しいと考えます。

労働基準法に定められている年次有給休暇の残日数は、当然に全て消化することができます。

但し、退職してしまえば有給休暇を取得する権利も消滅してしまうことになります。

年次有給休暇の消化のために退職日を延長することを使用者側に強制はできませんが、裏返しとして申請のあった年次有給休暇を拒否することはできません。

年次有給休暇は上司が与えているわけではなく、法律で定められているものですから、また、退職が決定しているのであればなおさら、会社としてはその取得を拒否することが出来ないのです。

 


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