こんなときどうする
労働相談Q&A

 

02サービス残業・休日労働


0201
.<裁量労働制なのに早出・残業出勤命令>  

 Q: 裁量労働時間制の雇用契約で働いています。ところがこの頃仕事が忙しいからと早出出勤を命じられています。残業を命じられることもあります。実際は裁量労働時間ではなくなっています。それでいながら残業代は支払われません。

A: 裁量労働制とは業務の性質上「労働時間」の管理を労働者の裁量に委ねるという制度です。残業するかしないかも含めて労働者の裁量ですから、会社が労働時間に関する指示を出すこと、残業の命令を行うことは「裁量労働制」ではありません。従って、残業の指示や労働時間に関しての指示が会社から及んでいるようであれば、裁量労働制は無効となり、通常の残業代の支払い義務が会社には発生します。

 また適用対象になる職種は専門業務型・企画業務型であり、具体的職種などは厚労大臣により決められています。

 また、裁量労働制の導入にあたっては、労働基準法(労基法) 38 条の 3 及び 4 により、下記の要件が必要です。

  1.専門業務型の場合は過半数労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者との間での「労使協定」を締結し、また、企画業務型の場合は労使委員会の 5 分の 4 以上の議決による決議をなし、管轄の労働基準監督署への届出をする必要があります。

 また、上記の「裁量労働の時間」が1日8時間を超えるのであれば、下記の2.の要件がさらに必要であり、「裁量労働の時間」と「法定労働時間=8時間」との差を残業代として支払う必 要が発生します。休日労働及び深夜労働の割増賃金も必要になります。

  2.1で協定した裁量労働の時間が1日あたり8時間を超える場合には、「 36 協定」(労基法 36 条の規定)を過半数労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者との間で締結し、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。

 上記の要件が満たされていない場合には、裁量労働制そのものが無効となります。まずは上記の要件が満たされているかどうかを確認するべきかと思います。

 また、上記1.の協定が適正に締結されているとしても、実際の労働時間が「裁量労働の時間」を恒常的に超えているようであれば、トータルとしての残業代の支払い義務が会社には発生します。

 当制度を導入する場合は就業規則の改定が必要になります。就業規則の改定は前述の1.2.で述べたとおり労働基準監督署への提出が必要です。

  【対処法】

   @ 裁量労働制に関して、貴方の職場を管轄する労働基準監督署に相談

     されてみると良いかと思います。

   A また、各地域に弁護士が行っている無料の電話相談を利用すること

     もできます。

 

     日本労働弁護団    毎週月曜、火曜と木曜の午後3時から6時まで 、
      毎週土曜日 午後1時〜午後4時
      TEL:03-3251-5363 ・ 5364
      *ただし土曜日は「03-3251-5363」のみ)

     



0202
<年俸者の残業代>
 

Q:「年俸者には残業代はない」と言われたが合法ですか。

A:「年俸者には残業代を払わなくていい」は、間違いです。

 年俸者であっても、会社は労働者の実際の労働時間が一日8時間、週40時間を超えた労働時間に対しては、必ず残業代を支払わなくてはなりません。

 また、仮に「年俸額」が「みなし残業時間・固定残業代含み」の場合は、就業規則・賃金規定などに「月 30 時間のみなし残業時間を含まれている」等と予めきちんと明記されていないといけません。またその場合も「 30 時間」を超えた労働時間に対してはあらたに残業代を支払う必要があります。

  従って、会社は個人別の労働時間管理を免れることはできません。

 

0203
<営業職の残業代>

 

Q:営業職には残業代はないといわれた。

A:「営業職には残業代を払わなくていい」は、多くの場合間違いです。

 労基法38条の2には「事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす」と規定しています。

 しかし、「事業場外労働」でも、会社や上司の具体的指揮監督が及んでいる場合、すなわち毎朝事務所で当日の仕事の具体的指示を受けて、指示通りに仕事をして、夕方事務所にもどり報告書を書いて提出する。また、携帯電話等で随時指示を受けながら動く、管理職も一緒に行動するなどの場合は、会社の管理下にあるとみなされますので、みなし労働時間制の適用はありません。

 従って、営業職であっても残業代は支払わなくてはいけません。

 日本の営業職の多くは労基法38条の2に該当していないはずです。

 また、仮に「営業手当」が「みなし労働時間や固定残業代」に含まれている場合は、就業規則・賃金規定などに「 30 時間のみなし残業時間が含まれている」等と予めきちんと明記されていないといけません。

  またその場合も「 30 時間」を超えた労働時間に対してはあらたに残業代を支払う必要があります。

  従って、会社は個人別の労働時間管理を免れることはできません。



0204
<管理職の残業代>
 

Q:課長ですが、課長手当が出ているから残業代はないといわれた。

A:「管理職には残業代を払わなくていい」という事はよくある誤解です。労基法で云う「監督もしくは管理の地位にある者」とは、単に部長、課長等のことではありません。

  労基法41条には「監督もしくは管理の地位にある者」は残業時間などの適用が除外されると規定しています。しかし「監督もしくは管理の地位にある者」とは、単に部長・課長等のことではありません。

  厚生労働省通達では、「監督もしくは管理の地位にある者」とは、

  1.  経営者と一体的な立場にあり、一定の組織運営及び人事権を有す

     るものであり、経営管理を行う立場にあるもの。

  2.  出退勤について制限を受けず自己裁量権があるもの。 

  3.  地位にふさわしい賃金優遇を受けているもの。

 つまり、出退勤が決まっているなどの日本のほとんどの課長などの「管理職」は労働基準法上の管理・監督者に該当せず残業代を支払わなくてはなりません。

 なお、労基法で云う管理・監督者でも有給休暇と深夜割増手当は支払義務があります。

 

0205
<割り増し賃金は払わないとの労使協定は有効?>

Q:会社と労働組合が残業代は払わないという協定を結びました。こんなことって許されるの?

A:法律に違反している、労使合意の上で割増賃金を支払わない協定を締結しても無効です。

  労働基準法は強行規定であり、たとえ労使合意の上で割増賃金を支払わない協定をしても、同法第37条に違反する為無効になります。同法律は労働条件など守るべき最低基準を定めており、罰則規定もあります。

 

0206
<自発的な残業にも割り増し賃金を支払う?>

Q: 社長や上司からの命令がなくても仕事がたまってくれば、 1 日に1時間ないし 2 時間くらいの時間外労働を行うことがときどきありますが、このような場合、割増賃金を請求できるのでしょうか。

A: 黙示の指示乃至了解があったと認められます。

 労働者が、自発的に時間外や休日に労働を行っている場合であっても、使用者が、その自発的残業を知っておりながらこれを中止させず放置していた場合には、使用者がその自発的残業を容認したことになりますので、使用者による黙示の指示があったものとして割増賃金を支払わなければならないとされています。


0207
<休日出勤手当はいくら?>

Q:私が勤務する会社では、休日出勤手当を2割5分増で支給しています。友人の会社では、休日出勤手当は3割5分増で支給されているということですが、どちらが正しいのでしょうか?

 

A:労働基準法第37条「時間外、休日および深夜勤務の割増賃金」では、同法第35条「休日」に定められている法定休日(1週間に1日乃至 4 週を通じ 4 日以上 } の休日を与えることを義務づけている)に出勤させた場合には3割5分増以上の割増賃金を支給しなければ違法行為となります。

  従って、週休2日の企業の場合、2日の休日いずれも出勤する場合にのみ、1日が3割5分増以上の割増賃金の対象となり、他の1日については週40時間を超えている場合に対して時間外勤務の割増賃金として2割5分増以上を支給しなければなりません。(変形労働時間等は別)

  ちなみに、振り替え休日 ( 就業規則や労働協約に規定することが必要 ) をおこなっていればこの限りではありません。

  なお、上記したものは労働基準法に定められた最低限のものであり、これを上回ることについては十分に考えられますので、あなたの友人が勤務する会社は休みの日に出勤した場合は、すべて3割5分増として支給していても何ら問題はありません。

 

0208
<36協定を周知する義務はないか>

Q:会社に36協定の閲覧を申し出たところ、就業規則については周知の義務はあるが36協定を周知する義務はないということで閲覧を拒否されました。本当でしょうか?

A:労働基準法第106条「法令等の周知義務」の中に労使協定を周知する義務があり、当然36協定もこの中に入ります。

  従って、閲覧を拒否すれば労基法違反になります。

 

0209
<残業代の算出法は?>

Q:私の会社では、残業代の出し方は、月額基本給を30で割り、それを又8(1日の所定労働時間)で割ったものに 1.25 をかけていますが、どう考えても少ないような気がします。この計算方法で良いのでしょうか?

A:違法行為です。

 あなたの月額給与にどのような手当があるのか分かりませんので一概には言えませんが、諸手当の内、残業代の基礎単価に加えなくても良い手当(労働基準法施行規則第 21 条に規定されている諸手当)以外はすべて加えて時間外勤務に関する割増賃金の計算基礎額を算出する必要があります。

  また、通常は、30で割るのではなく、年間の出勤日に1日の所定労働時間(この場合8時間)を掛け、12で割ったものを1ヶ月の平均所定労働時間と定め、除外すべき手当を除いた賃金総額を、1ヶ月の平均所定労働時間で割ることによって時間当賃金を算出し、その金額に 1.25 を掛けたものが時間外勤務の割増賃金額となります。(賃金が定額の場合は別)従って、月額基本給だけでは計算基礎賃金に含めるべき手当が含まれていないこと、及び 30 日で割っていることによって生じる不正確な残業手当の額と正しく計算された残業手当との差額を請求することが出来ます。

 時効は 2 年間ですので、2年間に遡って請求することができます。

 

0210
<休日出勤の手当は?>

Q:私の会社では、土・日曜日、祝日が休日となっていますが、休日出勤を1日した場合には、休日出勤としてではなく残業として2割5分の割増賃金しかつかず、2日とも出勤した場合のみ、その内の1日を3割5分増で支給されます。また、祝日がある週については1日休日出勤しただけでは手当が何も付かず、2日とも休日出勤した場合にのみ1日の残業手当として支給されますが、問題はないのでしょうか?

A:3割5分増の割増賃金の対象となるのは労働基準法 35 条に規定されている法定休日出勤( 1 週間に 1 日乃至4週間に4日以上の休日)に対するものであり、それ以外の休日については、1日8時間および週40時間を超えたものについては、時間外勤務の割増賃金として2割5分増以上の賃金を支給すれば問題ありません。

 よって、ご質問の場合は労働基準法に違反していませんので合法になります。


 

0211
<住宅手当は時間外割増賃金の計算基礎額に入るか?>


Q:私が勤めている会社は、住宅手当が時間外割増賃金の計算基礎額に入っていませんが、入れなければいけないのではないでしょうか。また、もし違法である場合は遡って請求できるのでしょうか。

 

A:時間外割増賃金の計算基礎額は労働基準法施行規則第 21 条に規定されています。それによると住宅手当は割増賃金の計算基礎額に算入されないことになっています。但し、住宅手当が従業員全員に同一金額支払われている等の場合は名称が住宅手当であっても実質は住宅手当に名を借りた基本的賃金部分と考えられますので計算基礎額に含めることが可能と考えられます。


 

0212
<法定内残業とは?>


Q:私の勤める会社は、1日の所定労働時間が7時間(9時〜17時、休憩1時間含む)で週休2日です。しかし会社は、17時〜18時までの残業に対しては、割増ではなく、通常の時給で残業代を支給しています。18時以降についてはきちんと割増賃金が付いているのですが、問題はないのでしょうか?

 

A:1日8時間、週40時間を超えない残業(法定内残業)については労基法上「別途賃金を定める」ということになっていますので、雇用契約書や就業規則等に法定内残業の賃金として、通常の時給金額が定めてあれば違法ではありません。労基法では労働時間が一日8時間を超えた場合に時間外手当が発生します。


0213
<課長になり役職手当が出たが残業手当は付かなくなった>


Q: 私は先月課長になり、月額2万円の役職手当が新たに出るようになりましたが、残業手当は付かなくなりました。しかし依然として実際の残業時間はかなり多く、主任の時と比べて収入ははるかに少なくなりました。この様な事は違法ではないでしょうか?

 

A: 労基法第41条でいうところの「管理・監督者」とは労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者を云うとされており一般に言われる管理職とは、異なる場合がよくあります。

 「管理・監督者」の範囲については下記の通りです。

    1)労働時間等の規制の枠を超えて活動する事が要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有すること。

    2)現実の勤務態様も労働時間等の規制になじまない、つまり出退勤について自由裁量の権限を有し、制限を受けない     立場にある こと。

    3)この2つの要素が実質的に判断され、さらに、賃金等の待遇面で具体的には役職手当等その地位にふさわしい処遇     がなされている。

 これらが、留意され合わせて考慮されるべきと解されています。

 なお、労基法で云う管理・監督者でも有給休暇と深夜割増手当は支払義務があります。

 あなたの場合、実際の職務や権限、裁量にもよりますが、2万円という役職手当の額が、3)に記したふさわしい処遇とはとてもいえない状況であり、違法と判断されます。



0214
<36協定は会社が代表者を選んでもよいか?>


Q: 前回「会社から労働者代表として36協定を結ぶよう言われました」という質問がありましたが、36協定は会社が代表者を選んでもいいのでしょうか?

 

A: 36協定は、従業員の過半数を有する労働組合が存在すればその労働組合と、無ければ従業員の過半数を代表する者との書面による協定を締結する事になっています。

 労働者代表に関する施行規則によれば「法に規定する協定等をする者を選出することを明かにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であること」となっていますので、会社が労働者の代表を選ぶということについては違法です。労働組合のない企業などによくあるケースですので気をつける必要があります。



0215
<36協定とは?>


Q: 会社から労働者代表としてサブロク協定を結ぶよう言われましたが、サブロク協定とはどういうものなのでしょうか?

 

A: 労働基準法第36条に基づく協定のことで、協定書に記載された時間外勤務をすることに労使が合意したというもので、締結した協定書を管轄の労働基準監督署に届け出ることにより、時間外勤務をさせることができるというものです。本来、1日8時間及び週40時間を上回って労働させることは違法行為であるということが前提であり、労働者が合意しているのであれば違法とはしませんということです。但し、同条項の基準により、一ヶ月 45 時間を限度とされています。


0216
<休日の削減>

Q: 私は、医療機関でいわゆる中間管理職をしています。先日法人から、今まで 120 日あった休日を 106 日に変更するという通達がありました。私も含めて、部下も休日の多さに引かれ入職した者も多くいます。私の就労契約書には、確かに 120 日(というか週休完全 2 日及び夏季 3 日冬季 3 日祝祭日)と記載されており、部下たちは就労契約を書面でもらっていないとのことでした。ただ、ハローワークなどに出している求人広告には確かに 120 日とかかれ、部下たちもそれを見て募集したのに・・・と不満は募っています。このような場合、私のとるべき行動はどのようなことなのでしょうか?よろしくお願いします。

A:  休日の日数については、「労働条件」の一部であり、それは労使が対等の立場で決定するものです。従って、契約の一方の当事者である経営側が一方的に変更することはできません。本人の同意が必要となります。また、休日を削減するというのは、「労働条件の不利益変更」にあたりますので、それを行うには、「高度の合理性」が必要となります。そのような理由もなく、勝手に不利益変更を行うことはできません。以上のことから、経営側に対しては、休日削減の撤回を要求することが可能です。

 貴方一人で労働条件を元に戻すことも要求できます。しかし、一人では非常に困難であることが予想されます。会社に労働組合がない場合は、みなさんで労働組合をつくり、交渉することもできます。

 その際は一人でも入れる労働組合(ユニオン)の支援を受けることをお勧めします。ユニオンには憲法で認められている労働三権がありますので、心強い味方になってくれると思います。また、組合員として身分を守ることもできます。

 


0217
<代休と振替休日>


Q:代休と振替休日とはどう違うのでしょうか?

 

A:振替休日というのは、休日出勤した代わりに他の日に休日を与えられるものであり、振替休日を与えていれば、休日出勤の割増賃金を与える必要はありません。但し、あらかじめ就業規則や労働協約などに定めた上で、事前に振替日を労働者に通知することが必要です。

 代休というのは、休日出勤に限らず、残業や深夜勤務等により、労働時間が長くなったために代わりに与えられる休日のことで、割増賃金(2割5分や3割5分)の部分は、支給する義務が生じます。

 この場合も就業規則などの根拠規定や労働者の個別同意が必要です。また、 36 協定も必要です。

 

0218                                                              152

<裁量労働の残業代>

Q: 総合職で裁量労働制ですが、遅刻・早退で賃金カットもありますし、仕事の内容も毎日上司の指示でやっています。休日出勤命令もあります。それなのに残業代も休日手当もでません。残業も月100時間はあります。本当に合法なのでしょうか。

A:  貴方の会社は総合職に対して専門職の裁量労働制を適用しているということですが、質問者の場合は「裁量労働」とは云えません。

  労基法 38 条の 3 では「業務の遂行の手段や時間配分に関して、労働者に対して使用者が具体的指示をしてはいけないこと」となっています。つまり早退や遅刻を理由とする処分や賃金カットは許されません。また、数人でプロジェクトチームを組んで業務を行っている場合も裁量労働制に該当しません。

 つまり、裁量労働制は、労働者個人が労働時間も仕事の仕方も自分の「裁量」で決める制度ですから、「休日出勤命令」などは「裁量労働時間」ではありません。

 また裁量労働制を行う場合「みなし労働時間協定」の労使協定を結ばねばなりません。仮に一日 10 時間のみなし労働時間協定を結んでいる場合は、一日2時間分に関する36協定の締結も必要です。また、みなし協定と36協定は労基署に届けなければなりません。残業時間の上限は月 45 時間となっていますので、ふたつの協定共それを守らなければなりません。

  さらに、労働契約や就業規則に、残業・裁量労働制・みなし労働時間について記載しなくてはなりません。その就業規則の内容を周知徹底させなければ無効となります。就業規則がない場合なども無効となります。

  さらに、裁量労働制でも、休日と休憩は法定どおり付与されなければなりませんし、深夜労働・休日労働に対しては、それぞれ手当てを出す必要があります。

   参照 0201

 


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<黙示の指示と管理職の残業>

Q: 外食チェーン店の主任です。毎日残業があります。残業代を求めましたが、本社から、店長が残業の命令をだしていないから支払えないと言ってきました。人がたりなくて毎日遅くまで残業をせざるを得ません。このことは店長も勿論知っています。黙示の指示ということを聞きました。また主任は管理職として扱われるのでしょうか。教えてください。

 

A: 「黙示の指示による時間外労働」は、その場の「雰囲気」が、残業をせざるを得ない状況にあったと認められれば、成立するものです。従って、残業申請の有無は一切関係ありません。

  主任という立場に関しても、「残業の成立」を妨げるものではありません。「管理職」という名のもとに残業代が支払われない事例を多々見受けますが、労働基準法に定義する管理・監督者については、役員クラスとほぼ同義と解していただいて結構です。経営者と一体となって事業を運営すること、労働時間にまったく拘束されず、出退勤の自由があること、また職責に見合った報酬があること等が条件です。

 主任クラスでは、労基法上の「管理職」にはほど遠いといわざるを得ません。堂々と残業代を請求してください。

 会社が残業代支払いを拒否した場合は事業所を管轄する労働基準監督署に「申告」して下さい。その際は、未払残業を証明する資料と給与明細書を持参して下さい。時効は 2 年です。

   0204 参照



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<営業職の事業場外みなし労働>


Q: 私はある会社で働いております。支店には1支店あたり約10名程度の営業が勤めておりますが、皆帰るのは夜11時過ぎがほとんどです。朝はだいたい8時半出勤です。営業の人間は、それぞれ自分がまわる担当の営業先があり、朝は注文書作成、昼間から夜は営業で外回りをし、夜はその日のまとめなどをしております。
従業員の人数が少ないため、どうしても一人3〜5件以上を担当しなければならず、どんなに段取り良く仕事をしてもこの時間になってしまうという現状です。
問題なのは、本社がこのように残業だらけの現状を把握しているにもかかわらず、残業代を一切支払わないという事です。
まずそもそも、タイムカードがありません。しかも毎日約6時間の残業をしているにも拘らず、残業代が支払われないというのは法律的に正しいのでしょうか。

 

A: 労働基準法違反のみならず、労働契約法並びに労働安全衛生法違反に該当します。

  会社は「外回り」の営業職を「事業場外労働のみなし労働時間制」として労働基準法 32 条(1日8時間・週40時間を超えて労働させてはいけない。)を適用しなくてもいいと考えている可能性があります。

  しかし、実際には「外回り」や営業職でも「事業場外労働」に該当するかどうかの判断には厳しい条件があります。

  1.会社の事務所で、上司から訪問先、仕事内容等の当日の行き先などや業務の指示を受け、その指示通り業務し、その後会社に帰って報告する場合。

  2.携帯電話などで使用者から指示を受けながら労働している場合。

  3.複数の社員でグループを組み一緒に行動して、その中に労働時間の算定や管理をする者がいる場合。

  以上は営業職であっても「事業場外労働」には該当しませんので、1日 8 時間・週 40 時間を越えた労働に対しては 2 割 5 分増以上の残業代を支払わないと違法となります。

  つまり、前記の 1.2.3. でのべたような場合は、会社の管理下のもとにあって仕事をしているとみなされますので「事業場外労働」には該当しません。

 「事業場外労働」を実施する場合はあらかじめ就業規則に定めなくてはなりません。また、残業時間が必要となる場合は労使協定( 36 協定)を締結しなければならず、この 36 協定を労基署に届け出なければなりません。

 「事業場外労働」が認められたとしても、実際の業務時間が計算できる場合は、実労働時間に基づく残業代の請求は可能となります。

 本件でいえば、朝8時半から昼までの注文書作成の労働時間や夜のその日のまとめの労働時間は当然事業場外労働でないことは明白ですから実労働時間としなければなりません。

  また、「事業場外労働」が認められたとしても、休日労働割増賃金と深夜労働割増賃金は必ず支給しなければなりません。 22 時を超えると深夜労働になります。

  今後のことですが、まず、過去2年分の労働時間の記憶に基づく記録とできるだけそれを裏付ける資料を揃えることをお勧めします。

  なお、月 80 時間を超える残業時間は過労死の認定基準とも云われています。労働契約法 15 条の「生命、身体等の安全に配慮しつつ労働させるべき」とする安全配慮義務に違反し、かつ労働安全衛生法 3 条のみならずの同法の趣旨全般にも違反しています。  

  対策として、職場を管轄する労働基準監督署に「申告」(告発)することができます。労働時間についてはメモでもよいでしょう。それと給与明細書を持参の上、「監督官」に話して下さい。

  一番望ましいのは、職場で仲間を募り、労働組合をたちあげて、労働時間を法定どおりにすることを会社と真正面から交渉することです。

  その際にはお近くのユニオン(一人でも入れる労働組合)に相談されるとよいでしょう。きっと力になってくれます。

   残業代などの未払賃金の時効は2年ですので、気をつけて下さい。



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<労働者過半数代表と36協定>


Q: わが社は長年の採用抑制策から社員の年齢構成が非常に偏った状態とな  っており最近は管理職に登用される社員に加えパートや契約社員も多くなり労働者に対する組合員の割合がここ数年50%を下回る状況となっています。本来36協定は過半数を満たす労働者の代表と締結するものですが、会 社側は過半数割れの状況を認識しながらも毎年協定を締結しています。月末で協定が切れるのですが再締結を拒否する姿勢は今のところ見せていません。
会社はどうして36協定を結び続けるのでしょうか?結ばないことに対するデメリットがなにかあるのでしょうか?
そういうことがあるのならどういうものなのか教えていただきたいです。また、こういう状態で締結された36協定は有効となるのでしょうか?

 

A: 「労働者の過半数を代表する者」の場合の「過半数の基準」とは、単に組合員の数をさしているわけではありません。

  厚生労働省は、「常雇労働者の代表が当該事業所の労働者の過半数を代表している場合には、その常雇労働者の代表と協定すれば足りる」としています。

  また、 36 協定の場合、一般に組合に入っていない課長なども「労働者」として数えられますので、仮にその労働組合の組合員数が若干過半数に足らない場合でも、その課長などの非組合員の方々が、「労組委員長」を 36 協定の時の「労働者代表」として認めた(選出)場合は、労組委員長が過半数労働者を代表していることとなります。

  また、 36 協定は過半数労働組合の代表者と会社との協定で、少数派組合 との協定を結ぶ必要はないとされていますが、残業時間に関する「労使協定」自体は、会社が職場での少数派組合とも協定を結ぶことはむしろ好ましいことです。

  しかし、問題もあります。

 ご存じだとは思いますが、厚生労働省は残業時間の上限を月 45 時間としていますが、本来8時間労働が原則ですから、できるだけ短い残業時間を 36 協定で結ぶべきなのです。

 36 協定の趣旨は経営者が好き勝手に無制限に労働者に残業をさせないた  めに、労働者の側がみんなの合意のもと「この程度の時間なら残業をしてもなんとか生活に支障をきたさない」という性格のものです。

 ですから、経営者にとって労働者側が 36 協定の締結を拒否すれば、1分も1時間も残業させることはできないのです。

 だからこそ多くの会社はできるだけ長い残業時間を認めるようにいわゆる会社のいいなりになる御用組合と 36 協定を結びたがります。

 従って、労働者みんなの意見を聞き、労働者みんなの意見をもとに 36 協定を結ぶ「労働者代表」を労基法で定めたやり方で「選出」しなければなりません。

 労働者代表の資格と選出方法を、厚生労働省は、以下の通りとしています。

    1 監督管理の地位にない者

    2 投票・挙手等の手続きにより「民主的な手続き」で選出された者

    3 使用者の意向によって選出された者でない者

    4 過半数で組織された労働組合の代表

 


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<固定残業代>


Q: 月の平均残業時間が 40 から 50 時間あります。残業代の支払を検討してほしいと依頼したところ、「現在の基本給には 30 時間分の残業代が含まれているので、残業代の支払と引き換えに、その分を減額した金額が基本給として設定されることになる」と説明されました。30 時間分だと 5万円から 6 万円の減給になります。残業が多ければ月収は現在とあまり変わりませんが、賞与は少なくなりますので、年間でみると収入減になり、納得がいきません。
このような給与の設定方法に問題はないのでしょうか。問題でない場合はその根拠となる法律の詳細を教えて頂けますようお願いします。

A:  会社は、現在の基本給に 30 時間分の残業代が含まれていると主張していますが、これは「固定残業制」といわれている制度です。

 しかし、「固定残業制」が認められる前提となる条件として以下のことが必要です。

   1)労働者の代表者と会社が残業に関する36協定を締結していること。この36協定を労基署に届けて始めて残業を行うことができます。(労働基準法36条)

   2)就業規則・労働契約、雇用契約書等に「残業時間分として何十時間分の残業を定額として支給する」ときちんと明記さ れており、かつ労働者にあらかじめ周知徹底と合意されていなければなりません。もしこのような規定がない場合は、固定 残業制度は認められませんから、時間外労働に対しては、残業代を支払わないと違法となります。

   3)「固定残業制」で決められた残業時間(貴社の場合は 30 時間)を超て働いた労働時間に対しては、超えた部分の残 業代を支払わなくてはなりません。

   4)逆に残業時間が、 30 時間以下であっても「固定残業代」( 30 時間分)  は支払わなくてはなりません。

   5)夜 10 時以降の深夜手当と休日出勤手当は、「固定残業代」に含めることはできませんので必ず別個に支払わないと 違法となります。

  「労働条件の一方的不利益変更」について

  本件においては、基本給が 29 万円から 23 万5千円に下げるとのことですが、経営者側が労働者の基本給=労働条件を、一方的に不利益に変更することはできません。

 「労働条件の一方的不利益変更」は法的にも裁判の判例上でも許されないこととして確立されています。労働者(労働組合)とよく協議することと「合意」が必要です。労働契約を、話し合いも合意もなく一方的に不利益に変更することは無効とされています。

   ●労働契約法

    第3条1項「労働契約は、労働者及び使用者が、対等な立場における、合意に基づいて締結し、又は変更することができ   る」

    第3条5項「労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない」

   第8条「労働者及び使用者は、その合意により、その労働契約の内容で ある労働条件を変更することができる」

   ●労働基準法

   第2条「労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において決定すべきものである」


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<土曜出勤・フレックスタイム・休憩>


Q: 労働基準法の判断に関わる相談なのですが

  1.土曜日出勤について、時間外割増賃金の対象になるのでしょうか。
労働基準法の割増賃金についての規定で一日8時間を超え、 22 時迄の労働時間に対して通常賃金の 2.5 割増以上の割増賃金を支払う旨の記載と週 40 時間を超える労働に対して、通常賃金の 2.5 割増以上の割増賃金を支払う旨の記載があります。日曜日〜金曜日の時点で既に労働時間が週 40 時間を超えていた場合、土曜日の労働時間に対して通常賃金の 2.5 割増以上の割増賃金が発生するのでしょうか? また、その後次の週の月曜日が代休となり、 1 週目が上記の条件で 6 日勤務、 2 週目が火曜日から金曜日までの 4 日勤務になった場合でも、一週目の土曜日に関しては、「週 40 時間を超える労働に対して、通常賃金の 2.5 割増以上の割増賃金」の対象になるのでしょうか?

  2.フレックスの場合の 22 時以降の割増賃金
月単位の残業時間を消化(削減)するために時々、フレックスが採用  されております。フレックスを利用した日の場合の 22 時以降の割増賃金の扱いはどのようになるのでしょうか?例えば、昼 13 時に出勤し、 23 時まで仕事をした場合は 22 時を超える   1 時間に対し深夜割増として 2.5 割増以上の割増賃金が発生するのでしょうか?(この場合は休憩時間を考慮せず、単純計算しますと8時間超えによる 2.5 割増以上 + 深夜割増 2.5 割増以上= 5 割増以上の賃金と認識しております)

  3.所定労働時間外の休憩について
所定労働時間外について、「1時間 30 分ごとに 30 分休憩をとるように」と規定されておりますが実際には取れる状態ではありません。賃金として請求できるのでしょうか?

A: 1.について

 土曜日が「法定休日」でない場合は、(日曜日〜金曜日の時点で既に労働時間が週 40 時間を超えていた場合) 2 割 5 分増以上の賃金を支払わないといけません。

 土曜日が「法定休日」の場合は、休日労働として 3 割 5 分増以上の休日手当の支払が必要になります。

 2.について

 1.の通りですが、誤解している会社が多いのですが、「4週4回の法定休日」での休日出勤に対して「代休」を与えれば、休日出勤手当てを支払わなくてもいいと考えている会社がありますが、違法行為です。土曜日が法定休日の場合は、「代休」を与えても、休日出勤手当て(3割5分増以上)は支払う義務があります。

 ただ、「振り替え休日」制度を設定している場合は、支払う必要はありません。「振り替え休日」とは、就業規則等であらかじめ特定の日の振替日を決めておかなければ「振り替え休日」とはなりません。

 フレックス中、ただ単に一日だけを基準にする場合は、(本件のケース のような場合)は残業代は発生しません。しかし、フレックスの労使協定の適用期間 ( 通常は一ヶ月 ) における総労働時間を超えた労働時間に対しては残業代を支払わないといけません。

 いずれにしても、 22 時以降の労働については必ず 2 割 5 分の深夜手当ては支払う必要があります。

 3.について

   「規定」が就業規則での規定の場合は、会社はこれを守らないと違法と なります。当然賃金は請求する権利はあります。



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<強制される通勤時の送迎>


Q: 警備会社で働いています。 社宅から現場まで自分の自動車で同僚を送迎することを強制させられます。 拒否しても問題ないですか?

A: 単に通勤であるならば、一人で通うも、誰と通うも自由なはずで、同僚の送迎を拒否しても差し支えないと考えます。

逆にいえば、同僚の送迎を「強制」される場合は、業務性を帯びてくるとの考え方もできます。

労働基準法上、労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれた時間」と定義されています。従いまして、下記のいずれかに整理できるものと思います。まずは会社にそのどちらであるかを確認してください。

同僚の送迎は会社からの

@「強制」の場合 → 労働時間 → 賃金支払義務あり

A「お願い」の場合 → 拒否可能


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<相殺される残業時間>


Q: 残業についての相談をお願いいたします。

勤務する病院では、残業が発生した場合、所定労働時間の7.5時間を超えたものに関しては時間を記入、後日その時間分早く帰る、もしくは休むという形を取っています。

早く帰れるのはいいのですが、残業代は割増して支払われるはずなのに少しおかしくないか?と疑問に思っています。

ちなみに20分以上でなければ残業を記入してはいけなくなっており、その辺も疑問を感じています。

回答、よろしくお願いいたします。

A: 原則、所定労働時間を超えた場合、その分の労働時間に対して賃金は支払われるべきものです。

また、その時間が法定労働時間(原則1日8時間、1週40時間)を超えるときは、割増賃金が発生します。

残業時間(法定労働時間超の時間)を後日、早退と相殺をすることは問題であり違法性があると考えます。

しかし、残業時間分を代休にあてることは必ずしも違法とはされていません。

ただ、残業代の割増賃金は通常2割5分増しですから、早退との相殺しても代休にしても2割5分の割増分の支払い義務があります。

しかし残業の振替等に関しては、就業規則、雇用契約書等に明記され、代休日も特定される必要があるでしょう。この点はご確認下さい。

20分以上にのみ残業扱いすることは、労働基準法違反です。

労働した時間分の賃金及び割増賃金は発生します。

今後会社側と問題が起こり解決が困難な場合、一人でも入れる労働組合(ユニオン)への加入も考えてみてください。

相談を受けていますし、団体交渉等で解決する場合もあります。


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<36協定の上限時間が守られなかったら?>


Q:「時間外労働・休日労働に関する労使協定」(36協定)では、月45時間の残業が最大になっているかと思いますが、それを超えて残業させた場合は何か罰則があるのでしょうか。

A:<労働基準法第32条(労働時間)>

@使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。

A使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

社員に残業や休日出勤させるには、まず就業規則にその旨の規定がなければなりません。

次に、会社は労働組合などと労使協定(時間外労働・休日労働に関する労使協定=36協定)を結んで、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署に届け出をしなければなりません。

この届出書(36協定届)を提出して、初めて適法な残業(免罰効果)となるのですが、期間ごとに残業時間に限度を設けています。

期間と限度時間は、以下の通りとなっています。

1週間  15時間
2週間  27時間
4週間  43時間
1ヶ月  45時間
2ヶ月  81時間
3ヶ月 120時間
1年間 360時間

この時間を超えて働かせると違法になりますが、特別の条項を「36協定」につけて労働基準監督署に届け出ていれば、1年間のうち、半分の月数までは(6回までは)この限度時間を超えることが可能になります。

例えば、業務が忙しい時期などに、「決算時期の3月と4月に関しては、月80時間まで」と定めて申告しておきます。

時間外労働(残業)の月の上限は、ご指摘のとおり原則として「45時間」ですが、「特別条項」により臨時的にこれを延長させる余地は残されています。

ただし、あくまでも「臨時的」な措置ですから、恒常的に「45時間」をこえることはできません。

◆月45時間を超えて残業させた場合の罰則について

当然、上記の手続きを取った上での前提ということで説明させていただきます。

36協定で定めた上限時間(月45時間)を超えて働かせた場合は、第36条違反ではなく第32条違反となり、第119条(罰則)により「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の処罰の対象となります。

また、特別条項については平成15年改正により厳格化されています。
  ↓
限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない「特別な事情」をできるだけ具体的に定めることとされています。
  ↓
「特別な事情」とは・・・

@事由は一時的または突発的であること(例.決算業務、ボーナス商戦に伴う業務の繁忙など)

A回数は全体として1年の半分を超えないこと(1ヶ月単位なら6回など)

言い訳や理由としてよくある「業務の都合上必要なとき」や「使用者が必要と認めるとき」などの定めは、長時間労働の常態化を招くものとして認められません。

さらに平成22年改正(時間外労働の限度の基準改正)により、特別条項付き36協定を結ぶ際には、以下が必要になっています。
  ↓
@限度時間を超えて働かせる一定の期間(例.1ヶ月とか1年)ごとに割増賃金率を定めること

A法定割増賃金率を超える率となるよう努めること

B延長時間数を短くするよう努めること

※@は義務規定ですが、ABは努力規定ですので会社に与えるインパクトは今ひとつです。

特別条項の適用は事業所単位でなく個人単位ですので、この1人1人の従業員をコントロールすることが、特別条項を適用する上で難しいところです。

このコントロールができないのなら、割り切って事業所単位で適用するしかありません。

現実には、特別条項付きの36協定を届出していても、上限を超えた慢性的な残業が行われていて法律が正しく守られていない会社が多数あると思われます。

自分の権利を実現させたいのであれば、個人で加入できる労働組合(ユニオン)の利用をお勧めします。

個人で会社と闘うのは無理がありますので、解決するにはユニオンに加入することが一番の早道かと思っています。

 


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